野菜たっぷりの金山寺味噌と
香り豊かな醤油
金山寺味噌とは、味噌汁などに使う調味料ではなく、いわゆる"なめ味噌"のひとつで、関東ではあまり見かけませんが、和歌山をはじめ関西では、ポピュラーな食べ物です。もともと径山寺の僧たちが、夏の野菜を冬まで保存しておくために考え出したものなので、白瓜や丸茄子などがたっぷり入っています。御飯にのせて頬張るもよし、酒の肴にするもよし。紀州で「おかいさん」という呼び名で親しまれている茶粥をいただく時にも、紀州の梅干しと共に欠かせない存在となっています。
醤油の歴史は古く、信州の禅僧・覚心(かくしん)が1254年(鎌倉時代)に中国から持ち帰った径山寺(きんざんじ)味噌の製法から、味噌づくりが開始。紀州・湯浅の村人にその製法を教えているうちに、この醤からしみだす汁がとてもおいしいことに気づき、今でいう「たまりしょうゆ」になったといわれています。